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■ 親友と私。

1 名前:ぽっぷ:2008/05/16(金) 20:05:09 ID:0ku4P5pP0
小説を書くのでよろしくお願いします。

青空が晴れ渡り、太陽の光が窓から差し込む。
呆然としながら窓を見ていた岡崎若葉(おかざき わかば)は、太陽の
光を見て眩しいと思う。
若葉はショートカットの髪に星型のヘアピンをつけ、小柄な身体を制服
に包んでいる。
二年通った市立四ツ葉中学校。
その学校は外側だけを見れば普通の学校だが、実際は問題児ばかりだ。
若葉は振り返る。
すると一人の少女が必死にノートに何かを描いている。
絵を描くことが好きな彼女はいつも授業中に、ノートの隅に落書きをし
ていることを知っている。
塩原一姫(しおはら いちひ)。
その少女は若葉の親友でもある。
可愛らしい顔立ちをした一姫は顔を上げ、こちらを見た。
若葉は笑みを浮かべ、小さく手を振る。
すると一姫も笑みを浮かべた。
若葉のクラス、2-Aはリーダー的存在の一姫がまとめている為、問題児
は少ない。
「おい、岡崎。こっちを向け」
――今の授業は歴史だ。
その教師、川瀬五郎は眉間にシワを寄せていることから苛立っているの
が分かる。
「すいませんでした」
下を俯き、謝る。五郎は「ふん、気をつけろ」と言って教壇に戻ってい
く。
――キーンコーンカーコン……。
だが、そのときチャイム音が鳴った。
退屈だった授業が終わって、心の中で喜ぶ。

2 名前:ぽっぷ:2008/05/16(金) 22:38:57 ID:iIjU1Lle0
もちろん、表情には出さない。
“退屈”な授業が終わって喜ぶということを表情に出すと、得なこと
はない。あるとすれば、短気な教師が怒るだけだろう。
「まったく、どいつもこいつも……」と愚痴りながら教師がカゴを持
ち、教室から去っていく。
去っていったことを確認した若葉は背伸びする。
「川瀬センセ、短気なんだから」
そう呟きながら、星型のヘアピンに触れる。
星型のヘアピンが太陽の光を反射し、カチャリと音が鳴った。
このヘアピンには思い出がつまっている。
「……」
無言で一姫に目をやる。
お人好しの一姫は人気があるのだろう、彼女を大勢の少女たちが囲ん
でいた。
――最近一姫とまともな話をしたことがない。
一姫の周囲にいる少女たちがいつもいる為、相談など話が出来ないの
だ。友人は他にたくさんいるが、今の悩み事を一姫以外に打ち明ける
つもりはない。
――パチン。
星型のヘアピンを外し、見る。
それは、一姫とお揃いのヘアピンで――。
思い出がつまったヘアピンで――。
そして友情の証。
溢れる気持ちを唇を噛み締め、歯止めをかける。

3 名前:ぽっぷ:2008/05/17(土) 13:18:05 ID:9ubMHsn00
――放課後。
空が茜色に染まっている。
黄昏時の今、ほとんど人がいない。
若葉は一姫と対峙していた。
「ねぇ、一姫。今度の休み、空いてる?」
眼前にいる親友の少女に用事を訊く。
「あ、うん。空いてるよ」
「じゃあ、ドコに行く?」
一姫は少し考えるように「うーん」と唸る。
「ドコでもいいよ」
持っていた映画のチケットをぺしんと音を立てて机に叩きつける。
「ドコに行けばいいのさっ!!一姫と久しぶりに遊びたいと思ったの
に!」
その映画は、前から一姫が見たいと言っていた映画のチケットだ。
一姫は一瞬呆然としていたが、ふっと笑みを漏らす。
気のせいか、いつも疲れ気味だった一姫の表情が和らぐ。
「若葉……ありがとう。必ず行くね」
一姫が微笑し、若葉を見据える。
「う、うん。――そんな笑顔、久しぶりに見たよ……」
ぽつりと小さな声で呟き、自分の席に戻る。
若葉は鞄を持ち、一姫に「バイバイ」と告げる。
一姫は委員会の仕事があるそうで、一緒には帰れない。
日曜日、楽しみだな――。
ふふっ、と笑みを漏らす若葉はまだ気付いていなかった。
運命の歯車が回り始めることに――。

4 名前:ぽっぷ:2008/05/17(土) 13:54:52 ID:JL1lAvOG0
             *

ここは、どこ――?
暗闇しかない場所。
そこに若葉はいた。不思議な浮遊感が若葉を襲っている。
――ヒュン。
何かを切り裂くような音が聞こえる。
若葉は聞こえたのが、上だと気付き、見上げる。
その直後――真っ白に輝くものが飛来した。
その輝きは空中で収束し、一つの結晶となる。
飛来した無数の結晶の一つがあたり、気が遠くなる。
霞んだ視界に敵意を込めた視線で若葉を見る少女がいた。
その少女は髪に自分と同じ星型のヘアピンをつけ、可愛らしい顔立ち
をしている。
「……?」
“本当”の自分を見つけてと叫んでいるような――そんな少女。
自分は、その少女を知っているようで――。
自分にとって大切だった少女のようで――。
ずきり、胸に痛みが走る。
若葉は口を開いた。
ごめん――。
勝手にそんなことを言ったのはどうしてだろう?
疑問を抱きくが、突然鈍い痛みに襲われた。
             
             *

「――ったあっ!」
言葉にならない若葉の悲鳴が教室に響き渡る。
顔を上げると、若い女性の姿が目に映った。
「せ、瀬戸崎センセ……」
瀬戸崎和子。国語の教師で、生徒と年齢が近く人気がある教師だ。五
郎とは正反対の教師である。
「大丈夫?居眠りしていたので、何回も何回も名前呼んだけど起きな
から、ね?」
教科書で殴ったのだろう。教科書を強く握り締め、微笑む和子。
「大丈夫ですっ」
明るく言う若葉に向かって「なら、授業を再開するわよ」と言い、戻
っていく。
自分が見ていた夢を思い出そうとして――。
――思い出せなかった。
大した夢ではないのだろう――そう思い、窓の外を見た。

5 名前:不眠:2008/05/31(土) 02:00:14 ID:EEof5E8b0
初めまして〜^^
読まさせていただいてます。
続きが気になってます。
更新待ってますね〜。

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