■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50 ファイル管理
■ 。*★...あいかの小説...★*。

1 名前:あいか:2008/01/04(金) 12:36:38 ID:GGR/P0LQ0
あいかが小説書きます^^
どおぞお暇なら覗いてッてくださあい!★

更新きッと
かなーり遅いでスがッ
まあ気長によろしくおねがい
しまあース^^

20 名前:あいか:2008/01/22(火) 21:22:46 ID:5pJoFswe0
ちょん。

「…痛ッ…」
「あ、ごめん!!痛いよね…」
「…平気だから続けていいっつの〜」
「うん…」

ただ黙々と作業をする冴。
こうでもしなきゃ、この場の空気につぶされてしまいそうだった。

「ッし…できたよ〜」
「おー…なんか…ごめんな?山野も寝てたのに」
「いいよ〜。私は気分悪かっただけだし…」
「何?もう本当に大丈夫なん?熱は?」

そう言って、圭は冴のおでこに自分のそれをくっつけた。

―――わ…!!

「ん、大丈夫みたいだな!じゃあ、俺行くわ」
「…う、うん……気をつけてね」
「………」
「…?何?」
「いや…ここで会えてよかった〜って思ったんだ」
「!!」
「ははッ!じゃあな!!またメールするよ」

そう言って、圭はまたグラウンドへ駆けていった。
すると同時に、すれ違って保健の先生が帰ってきた。

『ごめんなさいね〜。誰か怪我人来た?』
「………」
『……山野さん?』
「…あ、先生…」
『大丈夫?何か顔赤いけど…熱出ちゃった?』
「や、大丈夫です……でも、まだちょっと寝てていいですか?」
『いいわよ〜。ゆっくりしていってね』
「はい」

カーテンを閉め、自分だけの空間。
目を閉じて思い浮かぶのは、圭の声・表情。

21 名前:えいた:2008/01/22(火) 23:31:42 ID:xxtY3BjZO
読んでまーす。
ハラハラドキドキの展開で続きを早く見たいですもん♪

22 名前:恋華:2008/01/28(月) 20:38:37 ID:YdUruMqc0
お久しぶりです^^
あいかサン(∀`)★*
覚えてますか――??笑

無事、高校入試が終わり、
合格いたしました―!!
これからは、なるべく毎日見に来るんでw
更新頑張ってくださいネ!!

23 名前:あいか:2008/04/25(金) 22:29:08 ID:ldhVJztR0
3ヶ月ぶり!
みンな覚えてるかなー☆
えと、放置すいませンでした、、
いろいろ事情が重なったもので…
まだ見てくれるって人がいたら
うれしいし、
さらに書く励みになります。

恋華さン>>
お返事できなくて
ごめンなさい!
愛想つかれたかも
しれませンね、、

24 名前:あいか:2008/04/25(金) 22:37:15 ID:ldhVJztR0
放課後。

ガラッ

「冴〜?」
「あ、みゆ…」
「具合治った??」
「うん。ごめんね?心配かけて」
「みゆが悪いんだからいーの!本当にもう平気?」
「大丈夫だって〜。ほら、部活行こ?」
「へいへーい」
『失礼しました〜』

「あ、そういえばね?」
「ん?」
「美香子がなんかみゆたちに言うことあるんだって」
「え、私にも?」
「うん」
「何だろ…みゆ何かしたの?」
「はいィ?何をおっしゃる〜」
「うそうそ」
「もーッ」

ガラッ

『こんにちはーッ』

冴たちが部室に入ると、驚くほどの速さで美香子がやってきた。

「冴ッみゆッ!!」
「みみみみみかこ!どしたのー?」
「あッ…あの…あのねッ…!!」
『落ち着いて〜』
「あ、ごめん…えっと…」
「どうしたの?」

美香子の表情は、どこかうれしそうだった。
そう―…まるで冴のように。

25 名前:あいか:2008/04/26(土) 14:23:30 ID:hzW/hRkr0
「えっと…ね、大くんが…」
「え、『高橋大樹』がどうしたの!?」
「一緒に…今日帰ってくれるって…!!」
「「えぇ!?」」

それは思いがけない言葉だった。

「さっきね、偶然ばったり会って、勇気出して聞いてみたらOKだったの〜」
「きゃ〜美香子やるぅ♪みゆ初めて美香子尊敬したかも!」
「初めてってどういうことよ…」
「えへ」
「もうッ…て…え!?冴??」
「………………え?」
「どうしたの?何で泣いてんの?」
「あれ、ほんとだ…」

いつの間にか、冴の目から涙がこぼれていた。
美香子のことは、他人事には思えなかったから…。
同じ境遇にあった美香子が悩みに悩んで、
そして結果的には美香子は目の前で笑っている。
それが冴にとっては…うれしかった。

「冴〜どうしたの?」
「いや、何もないの…ただ、よかったなぁって…」
「冴……」
「よかったね、よかったね…美香子ぉ…」
「うん…冴、ありがと〜」

次第に美香子からも涙がこぼれた。

「ちょ…なんで二人して泣くの!?みゆがなんかいじめてるみたいじゃんっ!」
「あはは…ごめんねッ」
「だって冴が優しいんだもん〜」
「みゆもちゃんと美香子のこと心配してたもん!!」
「「はいはい」」
「…くっそぉ〜!!!」

冴は楽しかった。
友達がいて、最愛の人がいて。
こうやって笑いあって、時々泣いて…
そんな日々が、どうしようもなく愛しかった。

26 名前:あいか:2008/05/03(土) 10:55:28 ID:PAUAqZZG0
そしてその日の帰り。
門の前には美香子、
そしてその傍にはみゆと冴の姿が…。

―30分前。

『えぇ!?どういうこと!?』
『おねがーいッ!!みゆ、そういうラブラブなところ見てみたいのッ!』
『だからって…ついていくなんて…』
『じゃあ冴は見たくないの!?』
『うー…見たい、けど』
『じゃあいいじゃんッ♪美香子もOKって言ってるし〜』
『え、本当なの?美香子…』
『うん…二人なら大丈夫かなって…』

…ということで、『高橋大樹』の部活が終わるのを
しみじみ待っている3人。

「早く来ないかな〜ッ♪」
「もう…みゆ、高橋くん来たら、私たちは帰るんだからね?」
「えー!!何でー!!」
「当たり前でしょ…高橋くんだって、私たちいたら嫌がるじゃん!」
「そっかぁ…」
「ただでさえ美香子に迷惑かけてんだよ?」
「はぁーい…美香子ごめんね?」
「あはは…大丈夫だよ?」
「いぇーいッ☆美香子大好き!」
「こらこら………」

そのとき、美香子の表情が変わった。
一点を見つめて、動かない。

「…大くん……」

美香子の見ている方向には、まだ遠くだが
『高橋大樹』の姿があった。
もちろん、友達と一緒ではなく、一人で。

「あ……ほら、みゆっ…帰ろ」
「何で〜!!もうちょっとだけ〜」
「だめだってば!」
「うぇ〜」
「美香子、じゃあ私たち帰るね」
「うん…ばいばいッ」

美香子の顔には、うれしさと緊張が混じっていた。
そんな美香子を、冴はほほえましいと思った。

「ほら、みゆ行こ」
「うん。美香子ばぁーい」

そうして冴たちは、美香子と逆方面に帰ろうとした。
もともと、美香子とは家が逆方向だったから。
そうすると、必然的に『高橋大樹』とすれ違うことになった。
『高橋大樹』は、冴たちに目をやったが、
すぐに逸らして美香子のほうへ歩いていった。
冴は後ろを振り返って見た。
そこに存在するであろう、隣り合う二人の幸せな姿を。
しかし。

そこには二人の姿はなく、『高橋大樹』は
美香子の横を通り過ぎた。
美香子があわてて追いかけていったが、
それを気にも留めずに『高橋大樹』は歩いていった。
美香子は―…少し立ち止まって、それから
一人で歩き出した。

27 名前:あいか:2008/05/06(火) 12:46:37 ID:PTZIl1Ck0
その夜…。
冴は、美香子にメールしようかしまいか迷っていた。

――う〜…どうしよう…気になる…。

せっかくのチャンスだったのに。
美香子と『高橋大樹』が一緒に帰れる…。
―何故『高橋大樹』は美香子をおいていったのか
それだけが気になっていた。

「うーんでもでも…そういうのって2人の問題であって…あー!でも〜」
「冴?」
「は?え、お母さん…何?」
「家に帰って早々何やってんの?それに、また声に出してるし…」
「え、また!?あーもう…どうしよう…」
「何かあったの?」

ぎく

「…………」
「あ、あ、私部屋行くねッ!」

母がにんまり笑い、危機を感じたので
冴は自分の部屋に戻った。

28 名前:あいか:2008/05/06(火) 12:51:51 ID:PTZIl1Ck0
――危なッ…もう少しで絶対全部吐かされるとこだったぁ…。

自室に戻り、冴はベッドに寝転がった。
天井を向いても、頭に浮かぶのは美香子のこと。
しかし、そのうちに意識が沈んでいった。

〜♪

「……………ふぁ……」

時計を見ると夜の12時。
どうやらうたた寝していたことに気づき、
急いで携帯の画面を見る。

カチカチ…

「あ、卜部くん…」

29 名前:あいか:2008/05/18(日) 19:30:02 ID:7zXl7AZg0
―――――――――
From:卜部 圭
―――――――――
Sub:無題
―――――――――
夜遅くごめんっ!!
明日遊べない?
-------END--------
―――――――――

「…わお」

圭とはすでに先週遊んでいたので、
もう今月は遊べないと思っていた、のに。

「どうしよ…かなりうれしい…」

返事はすぐに出た。
冴だって圭と会いたいし、遊びたいから…。

―――――――――
To:卜部 圭
―――――――――
Sub:Re
―――――――――
うん(^^)ノ
もちろんいいよ☆
昼から遊ぼうね♪
-------END--------
―――――――――

30 名前:あいか:2008/06/08(日) 18:24:16 ID:CZf2Bs0E0
誰も見てくれて
ないのねーっ(・ω・)
よし、ちょこちょこ
更新してくかな。。

31 名前:ぁゆ:2008/06/08(日) 19:30:08 ID:c6deuhLyO
見てます!!

先がカナ-リ気になります!!!

32 名前:あいか:2008/06/18(水) 18:33:09 ID:Uzl9GRFN0
「ごめんっ…待った?」
「ううん、私も今来たとこだよ」

おなじみの会話をしつつ、2人は何度目かもわからないデートをしていた。
何度目かはわからない。でも―…
毎回毎回遊んでも飽きない。
圭は、自分一人じゃ感じられない思いを感じさせてくれる。
冴はそう思った。

「今日どこ行く?」
「んーそだな…あ、私あそこのカフェ行きたいかも!」
「何それ?」
「知らない?この前新しいのできたんだって。
友達に聞いたんだけど、すごく評判いいって言ってたから…」
「へぇ。やっぱ女子は会話が違うんだよな〜」
「いや、男子がこんな話してたら…ちょっとね」
「確かに…」

頭の中に、圭が女子のような会話をしている所が思い浮かび、
思わず冴は笑ってしまった。

「…ぷっ」
「あ、今笑っただろ〜!!」
「っく…だって〜…ふふっ」
「ちくしょー…」

そう言いながら照れる圭が、心から愛おしい。
何でだろう。
何で圭じゃなきゃいけないんだろう。

「笑いすぎだから!ほら、そこ行こうぜ」
「はーい♪」
「だから笑うなっつうの〜」

そんなこんなで、いつの間にかカフェに着いた。
友達が言っていた通りの、
綺麗で落ち着いた店だった。

33 名前:あいか:2008/06/18(水) 18:53:32 ID:Uzl9GRFN0
「わぁー…」

思わず口が開いてしまうほどそこは冴の好みの店だった。
電飾・内装・装飾品・雰囲気。
しっくりくるというか、落ち着くというか…

――なんか好きだな…。

適当に座って、メニューを見ていたら、
店員らしき人がやってきた。

『いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?』
「あ、えっと、あの…」

――あ〜!!私こういうの苦手なんだよね〜…じゃなくて!
  早く決めなきゃ、、、

昔からそうだった。
決めるのが何でも遅くて、いつも人を待たせる。
それが原因でため息をつかれたことも何度かあった。
慌てふためいてメニューを見ていると、
それを見ていた圭が店員に言った。

「すいませんっ。まだ決まってないんで、あとでいいですか?」

――…卜部くん……。

『かしこまりました』

店員は微笑んでそう言うと、カウンターへ戻っていった。

「……卜部くん…ごめんね?」
「え?何が?」
「だから…私がまだ決めてないから…」
「大丈夫!俺もまだ決めてないんだ〜」
「…え?」
「俺も決めるの遅くてさ〜!!」

そう言って圭はメニューを見始める。

――嘘だよ。

冴は知っていた。
圭が何でも決めるのは早くて、今もすぐに決まっていたはずだ。
だって、圭はさっきメニューを見たあと、
すぐにそれを閉じたのだから…。

「…ありがとね……」
「ん?何か言った?」
「あ、ううんっ。何でもない」

――…好きだよ…。

言葉にはできない。
口に出せない。
だけど―…心から愛しい…
圭の仕草・癖・笑い方・声
全てが好きなんだ。

34 名前:あいか:2008/06/28(土) 14:51:01 ID:77fDp2zp0
「あ、そういえば…」
「ん?何?」

とりあえず飲み物を注文して一息ついたあと、
冴は思い出したように話した。

「あの、高橋くん?だっけ…」
「…大くん?」
「そうそう。あの…その…」
「どうかしたの?あいつ」
「いや、私は何も…えっと…」
「ん?」
「いや、その…高橋くんの彼女が私の友達なんだけど、
なんていいますか…その…」

そして冴は圭に話した。
昨日の放課後の出来事。
…高橋大樹が、美香子をおいていったこと。

「…ふーん…で、山野は気になる、ってわけだ?」
「そういうことです…」
「俺はわかんないな〜」
「そっか…」
「うん。そこまで大くんと親しいってわけじゃないし」
「あ〜そうだよね。ごめんね?変なこと聞いちゃって」
「いや、別にいいけど。どうせなら、今度聞いてみようか?」
「…ほんと……!?」

35 名前:あいか:2008/07/03(木) 19:31:52 ID:ziM9hTs/0
「っは〜!!楽しかった〜!!」
「うん、そだね」

家までの帰り道、二人は並んで歩きながら
色んなことをしゃべった。

――やっぱ卜部くんとしゃべると…楽しいなぁ…

「……山野?」
「……………………はい?」
「今どっか行ってただろ〜」
「あは、気のせい気のせい」
「ひでぇなー。俺放置プレイかよ!」
「ぷっ…そんなことないってば」
「あーぁ…そういや今年ってあと何日!?」
「え〜…って、まだまだじゃん」
「今10月だから…あと2ヶ月じゃん!」
「そうだね〜」
「でもクラス替えまでまだまだだな〜…」
「半年くらいあるでしょ?」
「うー…」
「…………」

冴はふと、クラス替えと聞いて
思い浮かべてしまった。

――…一緒のクラスになれたらなぁ

でも口に出すのは死ぬほど恥ずかしい。
冴も圭も、感情をそのまま口に出す人ではないので、
「好き」とか「愛してる」とかはなかなか言えない。
というか、冴からは絶対に言わない。

――…でも…。

一度も言ってないと、圭は不安にならないだろうか。
そんなことが頭によぎり、冴は勇気を出した。

「あのっ」
「あのさ」
「……へ?」
「何?」
「あ、卜部くんからでいいよ?」
「いや、そっちからで」
「えー…えっと、あのね、その……」
「?」
「い…一緒のクラス……になれたらいいね……」

冴の声は消え入りそうだったが、それでも圭にはしっかりと聞こえた。

「………山野…」
「あ、あは…ごめんね?いきなり変なこと言っちゃって…」
「え、あ、いや、別に……」

それを最後に、圭は黙りこくってしまった。

――もしかして…ひかれたのかな…

勇気を出したのに。
その結果が…これなんて…。
冴は必死に涙をこらえた。

36 名前:あいか:2008/07/06(日) 19:34:11 ID:qezLqwTN0
「……じゃ、ここまででいいよ。送ってくればありがと…」
「え、あ……」
「…ばいばいっ」

これ以上圭の表情を見たくなかった。
そんな…困惑した顔なんて。
冴は走って家へと帰った。
圭は…黙ったままだった…

ガチャッ

「冴〜?おかえり〜」

タタタタッ…

「…冴?」

母に「ただいま」の一言も言えなかった。
こんな泣き顔見られたら、母はきっとまた心配するから―…
冴は自分の部屋へ直行した。

バタンッ

「………っ…」

すごく嬉しかったのに。
遊びに誘われて、
やさしくされて舞い上がってたのかもしれない。
らしくもないことをするべきじゃなかった…!!

「……も……やだよ」

37 名前:あいか:2008/07/06(日) 19:46:28 ID:qezLqwTN0
「じゃ、行ってきまーす」
「はいよ。いってらっしゃい★」

母はあのあと、何も聞かずに
普通に接してくれた。
それがどれだけ冴を安心させただろうか。

――お母さん、…ごめんね。

学校に着くと、まだ教室にはみゆはいなかった。

『あ、冴おはよー』
「おはよ」
『今日の宿題してきた〜?』
「ううん。休み時間に頑張るつもり」
『やっぱりかー。じゃ、頑張ろうね!』
「ふふっ…うん」

友達と話すと少しは昨日のことを忘れられる。
何かに熱中すれば、昨日のことを忘れられる。
そう考えた冴は、すぐに宿題にとりかかった。
でも、シャーペンの手がとまると、嫌でも思い出してしまう…
そして、考え出すととまらないのだ。

――……はぁ……。

「さーえっ!!おはよ★」
「わっ…びっくりした〜…みゆか」
「『みゆか』って何よぅ。何か不満なわけ〜!?」
「ぷっ…何もないよ?おはよ」
「今日部活行く?」
「もちろん」
「だよね〜?美香子に話聞かなきゃだもん!」
「……………あ」

冴は見事に一昨日の出来事を忘れていた。
自分のことに夢中になっていたのだ。

「美香子のこと超気になるんですけどっ!!」
「ちゃんと真剣に聞いてあげようね?」
「わかってる〜」

――そうだ。私がへこんでる場合じゃない。
  今は美香子が最優先だ…

そう言い聞かせたとき、冴は
忘れる口実を見つけたような安心感を持っていることに気づいて
かなしくなった。

38 名前:あいか:2008/07/19(土) 22:53:36 ID:ETAftK5u0
放課後。
みゆと冴は、やや遅刻気味で部室へと行った。

ガラッ

「「こんにちはー」」
『こんにちは。えっと、そしたらこれで全員だねー』
「「すいません…」」
『あはは、いいんだよ〜』

やさしい部長に感謝しながら適当な場所に座る。
目の前には、美香子がいた。

「みっ…美香子…」
「あ、冴とみゆ。遅かったね〜」
「うん…」

いざ聞こうと思うとなかなか言葉が出てこない。
もしかしたら、美香子は気にしてるのかもしれないから。
すると、察した美香子が逆に言い出した。

「…もしかして、この前のこと気にしてるとか?」
「!!」
「ほらね〜やっぱり。だと思ったもん」
「え、その、美香子大丈夫、なの?」

不意をつかれてしまい、冴の口調は
たどたどしくなってしまう。

「え?何が?」
「だから、…その、一昨日…高橋くんと…」
「うん…それなんだけどね」
「?」
「私もよくわかんないの…」
「へ?」
「え!?どういうこと?みゆたちが帰ったあととか連絡なしなのー!?」
「え、うん」
「聞きますが、高橋くん携帯は!?」
「持ってるんじゃない?」
「「ならなんで!?」」

冴とみゆはつい声を荒げてしまった。

「んーていうか、私…大くんの携帯の番号知らないし、アドも知らないの」
「え、彼女なのにぃ…?」
「ちょっ…みゆ!」
「あ、ごめん〜」
「ううん、本当におかしいよね。やっぱ普通は教えるもんなのかなぁ…」
「うーん…みゆは彼氏できたことないからわかんないなぁ…」

そのとき、みゆが横目でちらっと冴を見た。

「…冴のところはどうなってんの?」
「わ、私の!?」
「うん。だって、みゆは彼氏いないんだし、他に聞ける人いないじゃーん」
「あ、そっか…。私は、一応知ってるけど…」

その瞬間美香子がつぶやいた。

「……だよねぇ…普通は………」
「あ、で、でも、家電ならわかるんでしょ?」
「わかるけど…ずっとかけてないから」

――美香子がこんな状態だったなんて…

圭と連絡がとれなかったら、どれだけ自分は悲しいだろう。
連絡手段がなかったら、もう希望も何も持てなかったかもしれない。
そんな状態なのに、美香子は。

――私の話…聞いてくれてたんだ…

自分だって相当つらかったり悲しかったりするはずなのに。
そんなの押しのけて、美香子は自分の話を聞いてくれた。
自分の、本当にしょうもない話を。

39 名前:あいか:2008/07/19(土) 23:08:35 ID:ETAftK5u0
そんな状態の中で、美香子は笑ってたんだ。
笑って、くれてたんだ。

「美香子ぉ……」
「わっ…冴!?どうしたのいきなり〜」

冴は美香子を抱きしめ、そして泣いていた。

「私ばっか話してて…美香子の話一度も聞かないでいて…
 本当にごめんなさぁい…」
「え?冴?」
「ごめんね…っ」
「冴………っ…」

美香子の、それまでせき止められていたものがあふれ出した。

「わ、私こそごめんね〜…何も相談せずにいたりさぁ…
 冴たちに迷惑かけたくなかったの…
 それに、冴も大変そうだったから…相談のってあげたかったの…」
「美香子…」
「本当はね、不安だよ…すごくすごく不安なの〜…
 付き合ってるはずなのに、全然そんな感じしなくて…っ
 冴たちみたいにデートもしたこと…ない、し…
 もしかしたらっ…私が勝手に勘違いしてるだけとか…
 すごくすごく不安になって…」

美香子の口からは、とめどなく言葉が溢れた。
今まで心の奥で我慢していた、美香子の本音。

――やっぱり不安だったんだよね…

何かの視線に気づいて横を見てみると、
みゆが二人以上に泣いていた。

「…ぐす………っ…」
「え、みゆ?」
「ぅえ?あ、う……っ」
「何でみゆが泣く必要あるのよ…」
「そっそんなの…みゆもわがんないよぉ〜…!!
 でも、二人見てたら勝手にこうなったのぉ…うっ…うっ」
「みゆ…」
「てか、私たちはたから見ておかしいよね…」
「………………たしかに」

よく考えてみると、ここは部室。
公共の場であり、少数部員ではあるが、
きちんと人はいた。

「……ぷっ……なんかおかし〜…」
「冴から始まったんでしょー」
「え、ごめん…あ、でもここまで悪化させたのはみゆだよ」
「何でみゆなのー!!ぐすっ…」
「ぷぷっ…ねぇ、二人とも?」
「「ん?」」
「…ありがとね?」
「「美香子…」」
「私、今度大くんと話してみるよ」
「本当に?」
「うん。このままずるずるは嫌だし…私も大くんと遊びたいもん」
「そうだよ〜美香子がせまっちゃえ〜」
「またみゆはそうやってわけわかんないこと言う…」
「あははっ」

――美香子、頑張ってね。

冴は、前向きになった美香子がすごくうらやましかった。
自分は…現実から逃げてばかりだったから。

40 名前:あいか:2008/07/21(月) 12:22:06 ID:97J1QkNa0
ちょっとでもいいから
見てくれてる人がいたらいいなあ。
で、コメントとか残してくれると
すごく励みになります(・ω・)。。

41 名前:あいか:2008/07/24(木) 20:58:23 ID:0y+dDang0
そんなことがあって、
あっという間に半年が過ぎた。
冴と圭は…あれから気まずくなり
話すことはなくなり、デートもなくなった。
もちろん…メールも。

「…もう1年が終わったんだ…」
「あれ?冴もしかしてさみしい?」
「そ…そんなわけないじゃん!!」
「うふふ〜照れてるっ可愛い♪大丈夫だよぉ
 みゆはずーっと冴と一緒だよ?
 クラス離れちゃってもね♪」
「……みゆ〜!」
「えへ〜冴だいすき〜」
「私も〜…クラス離れたくないよ…」
「まだ1年生終わってないのに今からそんな話かいっ」
「言いだしたのはみゆだよー…」
「うっ」

本当に、冴はみゆと離れたくなかった。
小学校から一緒で、ここまで仲良くなったのは数少ない。
その中の一人がみゆなのだ。
離れたらどんなに寂しく思うだろう。

「それに毎日部活で会えるじゃん?」
「あ、そうだったね」

開き直った二人は、いそいそと終業式へ行った。

この1年…色んなことがあって、
それでも今もまだ問題は山積みで、
大変だし、今だって辛いこともある。
だけど―…1年を通じて楽しかったことだって山ほどある。
それはかけがえのないもので、一生忘れてはいけない。

そして、1年生最後の号令がかけられた。

『きりーつ』

ガタガタッ

『きをつけー』
『礼ー』
『ありがとうございましたー』

―…ありがとうございました…。

終業式が終わっての帰り道に、
みゆはいきなり言い出した。

「ねえねえっ、春休み何して遊ぶ??」
「いや、みゆさん。宿題というものをご存知ですか?」
「なんのことかさっぱりわかんなーいっ」
「ちゃんとしないとだめだよ?」
「はぁい…」

いよいよ、春休み。
2年生への、準備期間が 始まる。

42 名前:彩音:2008/07/26(土) 18:11:53 ID:HdnsYY0H0
読みましたぁ!!最初から読みましたょ♪
文才ありますねぇ!!!さすがですっ♪
私もこんな小説書きたいです><

43 名前:伝説のR使い ◆x1/Cr5bMGA :2008/07/27(日) 21:31:12 ID:4GTQaJcw0
テスト

44 名前:あいか:2008/07/28(月) 18:47:29 ID:6t1GDnhN0
春休み。
冴は何事もなくすごし、
課題を終え、ついに春休みも残り2日。

「…明後日かぁ…」

自分の部屋でなんとなくごろごろしていた冴は、
しみじみとそんなことを考えていた。

「誰と一緒のクラスなるんだろ…」

頭に思い浮かぶのは、みゆ、美香子、そのほかの友達、
そして―…

「………卜部くん……」

あれ以来、ずっと圭とは会っていない。
もちろん連絡さえとれない。
何度もメールを送ろうと思った。
思った、けど…
どうしても送信ボタンが押せなかった…。
手が震えて、どうしても無理で。
結局そのメールは保存BOXへと転送された。

――――――――――
2004/12/20/21:56
To:卜部 圭
Sub:無題
――――――――――
久しぶりです。
冬休みって、もしかし
て空いてたりしないか
な?
――――――――――

――――――――――
2005/01/01/00:13
To:卜部 圭
Sub:無題
――――――――――
あけましておめでとう
ございます〜^^
今年もたくさん遊ぼう
ねっ!冬休み残り少な
いけど、暇だったら誘
ってください。
――――――――――

――――――――――
2005/02/04/21:34
To:卜部 圭
Sub:無題
――――――――――
久しぶり〜!!
この頃全然会わないか
らメールしてみました。
元気してる〜?
――――――――――

――――――――――
2005/03/23/16:26
To:卜部 圭
Sub:無題
――――――――――
1年生がやっと終わった
ね〜(・ω・)ノ
2年生になっても、よろ
しくお願いします。
春休み暇だったら遊ぼ
うね〜っ
――――――――――

保存したメールの全てが、冴の気持ちを物語っていた。
こんなにも、圭が好きなんだ。

45 名前:あいか:2008/08/02(土) 11:04:40 ID:VvVgRhv/0
「…送ってみようかな……」

シフトを見たら、
確か圭の部活は午前中までのはず。
もうすぐお昼だし…

〜♪

「わわっ」

圭に送ろうと思った矢先、メールが受信された。

「………みゆ?」

――――――――――
2005/04/05/11:26
From:甘木未遊
Sub:無題
――――――――――
今日遊びたいなっ★
あ、予定あるなら別に
いいんだけどね?
――――――――――

「…ま、いっか」

――――――――――
2005/04/05/11:28
To:甘木未遊
Sub:Re:
――――――――――
いいよ〜(・ω・)ノ
どこで遊ぶ?
――――――――――

「……ふぅ…」

心の中のどこかで、後悔している自分が居るような気がして、
冴はどうしようもなく自分が嫌になった。

――みゆも大事な友達だもん…。
  後悔なんてないよ…

そうやって、自分に言い聞かせるのも、
やっぱり圭に会いたいから。
頭でわかっているのに、心はついていかない。

46 名前:あいか:2008/08/02(土) 11:13:32 ID:VvVgRhv/0
「さーえー♪」

振り向くと、そこにはみゆの姿。

「ごめんね?いきなり誘っちゃって〜」
「ううん。別に私も予定なかったし」
「本当ぉ?よかった〜。みゆ、今日は買い物たくさんする!」
「はりきってるなぁ…」
「だって春休み最後の買い物だもん!」
「あ、そうだよねぇ…」
「それに……」
「?」

心なしか、みゆの表情に一瞬曇りが見えた。

「………冴とクラス離れたら、こんなこと
 しなくなっちゃうかもしれないし……」

その言葉を言うみゆの表情は、これまで冴が見てきた
どの表情よりも哀しかった。
冴は一瞬、何も言えなかった。

「………な、何言ってんの!大丈夫だって」
「…そだねっ」

――どうしたんだろ。

「よしっ!まあいいや!冴行こぉ〜」
「うん…」
「まずはね〜プリ撮るの。そんでね、服屋行ってね、そんで…」

みゆは普通のみゆに戻っていた。
冴の気にしすぎだったのかもしれない。

「はいはい。全部みゆの言うとおりに行きましょー…」


結局、それからみゆはたった3時間で
かなりのお金を使い、満足げにしていた。

47 名前:あいか:2008/08/02(土) 11:21:00 ID:VvVgRhv/0
「ふー…疲れたぁ!!」
「そりゃあ短時間であれだけ買い物すりゃあ疲れますよ?」
「えへへ。だって、もう必死で…」
「うん、目に見えてました」
「あは★」
「これからどうする?」
「えーっとぉ……じゃあ本屋さん!」
「はいはい」

冴は本屋へ向かおうとしたが、
みゆはその場で立ち止まったままだ。

「…みゆ?」

怪訝そうに冴はみゆを見るが、みゆは何も反応しない。
そして、やっと口を開いた。

「…あ……みゆ、あっちの本屋がいーな!!」
「え、だってこっちが近いし…」
「大丈夫大丈夫!いいからあっち行こ?」

みゆの指す方向は、冴が行こうとしていたのと逆方向だった。

「…あっちに本屋なんてあったの?」
「……あるような気がする…」
「ほら。確信ないならこっちが近いし…」
「お願い!早くっ!!あっちあっちぃ」

みゆはなかなか引き下がらないので、
冴は諦めて逆方向へ行った。
しかし、そっちの方には本屋はなかった。
よって、みゆは冴にこっぴどく責められることになる。

48 名前:あいか:2008/08/02(土) 11:29:40 ID:VvVgRhv/0
帰りのバスの中、冴は少し怒っていた。

「ねぇ〜冴?まだ怒ってるの??」
「……怒ってなんかないよ」
「怒ってるじゃあん!」
「だって、みゆが理由いわないからでしょ?」
「理由って?」
「だからぁ………さっきの本屋のこと」
「………」

あの後、みゆは何も言わなかったのだ。
わざわざ嘘をついてまであっちの本屋に行かなかった理由を。

「ちょっと…冒険してみたかったんだよぅ…」
「冒険?」
「だって、あっち行ったことあんまりなかったからぁ…
 どんなお店があるのかなぁって気になって…」
「それであんなこと?」
「はい……」

ため息交じりに冴は尋ねた。

「…本当に?」
「本当に…」
「そっか……じゃあそれでいい。私も納得するよ」
「本当ぉ?ありがと冴〜っ♪」
「シィッ!!声大きいでしょ?」
「うへへ〜」

そして、冴の家の近くのバス停に到着した。

「あ、じゃあまた明後日ね」
「うんっ!一緒のクラスなれたらいいなぁ〜」
「私もだよ」
「じゃあ、またねぇ」

プシューッ

冴が降りて、バスの扉が閉まる。

「…ごめんね冴…でも…これはきっと冴は聞かないほうがいいの…
 みゆは冴に哀しい思いなんかさせたくない…
 冴が哀しい思いするくらいなら、みゆが怒られたほうが
 よっぽどマシだもん…」

49 名前:えいり:2008/08/02(土) 13:14:36 ID:MKdpQYbC0
はじめましてあいかsものすごく頑張っていますねっ!!
長くて読むの疲れるくらいですもん
でも以外に面白かったデス!!がんばってください★

50 名前:あいか:2008/08/02(土) 16:55:18 ID:VvVgRhv/0
つつ疲れてしまいました!?!?
すすすいません……

51 名前:えいり:2008/08/03(日) 18:58:02 ID:mMcmVAYR0
いやあやまることないですけど・・・・
ちょっとですよ。がんばってくださいね★
応援してます!!

52 名前:あいか:2008/08/07(木) 21:03:34 ID:G7Zkk4q90
そして、いよいよ始業式。

「冴〜おはよぉ〜」
「みゆ…おはよ」
「え、その顔…もしかしてもうクラス替え見たぁ…?」
「まだだよ…でも怖いんだもん…」
「みゆだって怖いよぅ〜!!」
「じゃ、一緒見よ?」
「うん…」

二人は、教室に貼ってあるクラス替えのプリントを見た。

――お願いだから、みゆと同じクラスにしてください…!!

『甘木未遊―――2年3組』
『山野冴―――2年5組』

「………離れ、ちゃった……」

――やだよ…!!みゆと離れちゃうなんて…

今までずっと…小学校から一緒だったのに。
それなのに、…ここで離れるなんて。

「冴ぇ…」
「みゆ…」
「どうしよぉ…みゆ…冴いないと無理ぃ〜!!」
「私だって…みゆがいないと誰もいないんだよ…」

53 名前:あいか:2008/08/07(木) 21:13:50 ID:G7Zkk4q90
「ほ…他の…知ってる人…探そ?」

まだ泣いてるみゆをなだめ、冴はみゆに話しかけた。
納得できないみゆだったが、しぶしぶ承諾したようだ。

「……うん」

探してみるうち、冴はあることに気がついた。

「…あ!みゆ、美香子も3組だよ?」
「…へ?うそぉ…」

『井村美香子―――2年3組』

「ほんとだ…」
「…よかったね」

冴は急に孤独になったように感じた。

「…冴……大丈夫?」
「私は大丈夫…だよ?」
「そっかぁ…」

――本当は大丈夫じゃないけど…みゆに心配なんてさせちゃいけないなぁ…

そんな時、廊下から美香子の声が聞こえた。

「みゆ!」
「美香子ぉ!」
「私たち一緒のクラスだね」
「うん★これから1年よろしくね」
「こっちこそよろしく。あ……冴…」

急に気まずい雰囲気が流れた。
冴は、この状況の中で、精一杯笑った。
二人が心配しないように…

「……美香子もみゆも…よかったね…」
「……うん…」
「あ、ほら。もうすぐ始業式始まるよ?」
「あ、そっか…じゃあ…また部活でね?」
「みゆも部活でねぇ〜!」
「わかったから…ね?早く行って?」

二人に早く3組の教室へ行かせ、
冴も5組の教室へと入っていった。

――ここが…私の場所…。

54 名前:えいり:2008/08/08(金) 12:45:02 ID:NQfN8Ntg0
あいかsの小説面白くてまた来ちゃいました。
続きがんばってください。

55 名前:*まなか*:2008/08/08(金) 17:08:19 ID:wRV5e+h00
なんか・・・ッ!すごく面白いです><
頑張って更新してください!!

「ある日突然。」っていうヤツ、私もかいてるんで、
よかったら見に来てください^^;

56 名前:あいか:2008/08/21(木) 21:25:09 ID:n1axr2dN0
「……私の席どこ…?」

教室に入ったのはいいが、
出席番号がわからないと席もわからない。
冴は、黒板に出席番号が書いてあるプリントを見つけ、
そこへ行こうとした。

「あれ?冴?」

自分の名前を呼ばれた気がして、冴は足を止めた。
振り返ると…顔なじみがいた。

「……真奈!」

その人は、『窪田真奈』という女子。
小学校から一緒だった、冴の友達だ。

「やーん♪冴も5組なの?」
「うん…あ、真奈も?」
「そうだよ!やった〜!一緒のクラスじゃん」
「よかったぁ…真奈いなかったらきっと私一人だったよー…」
「あ、出生番号見に行こ?」
「うん」

そうして、二人で黒板へと向かう。

――真奈がいて…よかったなぁ…。

この教室で、独りになることは絶対に嫌だった。
「孤独」が…嫌いだった。

「あ、冴は31番だ♪あたしはー…11番!」
「え、嘘どこどこ?」

まず、真奈の番号を見つけ、そのあと下に指を下ろしていく。
15、18、23、24…

――あれ?

何か見覚えのある名前を見た気がした。
急いで目線を戻してみる。

『2年5組18番―――高橋大樹』

「………うっそ…」

57 名前:あいか:2008/08/21(木) 21:33:48 ID:n1axr2dN0
――『高橋大樹』って…あの『高橋大樹』だよね…!?

美香子の彼氏であり、圭と部活が一緒の。

「………まさか」
「ん?冴なんか言った?」
「ううん、何も…………あ」
「?」

冴の見た先には、まさしくあの日の放課後、
美香子のことをおいていった男子が居た。

「…たかはし、だいき」

58 名前:みー:2008/08/22(金) 01:06:14 ID:/uaHU3P90
面白い!
早く続き読みたーい^^

59 名前:みー:2008/08/22(金) 01:07:30 ID:/uaHU3P90
面白い!
早く続き読みたーい^^

60 名前:あいか:2008/08/22(金) 17:13:18 ID:O8Bs7RnR0
あれから1ヶ月。
冴はクラスにもだいぶ慣れ、
男子ともなじめるようになった。
隣には真奈もいて、独りの心配もなく、
ただただ平凡な毎日を過ごしていた。

「冴〜」
「ん?どうしたの真奈?」
「今日今から部活?」
「うん、そうだね〜」
「そっか。じゃ、また明日ね!」
「ばいばい」

真奈にあいさつをして、ふと目線をあげると、
男子同士も同じようなことをしていた。

『高橋!お前今日部活!』
『あー…んじゃ行く』
『ってサボる気だったのかよ!』
『気のせい気のせい。ほら行くぞ』

――結局あれから…バタバタして美香子に聞いてないな…

目の前に居るこの男子とちゃんと会っているのか。
遊んだり、電話したりしたのか。
メアドは聞いたのか。
冴は美香子のことが心配でたまらなかった。

放課後。

ガラッ

「…こんにちはー…」
「あ、冴だぁ★」
「冴ハロー」
「二人ともテンション高いなぁ…」
「「そうかな?」」
「ハモってるし」

未遊と美香子は一緒のクラスになってから、
一緒に居るのをよく見かけるようになった。
部活も一緒だし、それは当然のことだとは思う。
でも、まるで自分の居場所がないような気がして―…
そんなことを考えていて、冴はみゆが尋ねたことを聞いていなかった。

「んもーまた聞いてないなぁ冴ったら…さーえ!!!」
「わっ!…え…え?」
「またどこか行ってたでしょ〜!」
「『また』ってことはないでしょ?」
「美香子はいっつもそうやって冴に甘いんだからぁ〜」
「ね、ねぇ!!」

その場を制して、冴は美香子に尋ねてみた。

「美香子、あれから…何か進展とかないの?」
「え?」

まさかその話題が出てくるとは思わなかった美香子は、
一瞬驚いたようだった。

「…進展、って?」
「うーん…だからその……」
「大くんとのこと?」
「はい…」

61 名前:あいか:2008/08/22(金) 17:22:54 ID:O8Bs7RnR0
「別に、何もないよ?」
「…え?」
「だって、あれからずーっと連絡してないもん…」
「え?え?ちょ、そこまで?!1回くらい電話しても…」
「みゆ、やめな?」
「いいんだよ冴…。何かね、怖くなったんだ」
「「怖い?」」
「うん…あのとき、やっぱり私は一緒に大くんと帰りたかった」
「……」
「だけど、あの時目線もあわさずに大くん帰ったじゃん?
それがちょっとキいたかも…電話しても、また避けられそうって思っちゃうんだよ…」

冴にはよく気持ちがわかる。
冴は美香子と同じ状況だから…
一歩踏み出そうとすると、どこかで誰かが囁く。
『ダメだったらどうするの?』
『シカトされたらどうする?』
『怖くないの?』
それを振り切れずに、結局思い留まってしまう。
ただ、電話をすればいいだけ
ただ、メールを送ればいいだけ
それなのに………たったそれだけのことが、できない。

「…冴って、大くんと一緒のクラスなんだよね?」
「え?うん」
「いいなぁ…。私も、大くんと一緒のクラスになってたら…
もしかしたら喋れたかもしれないのにね」
「美香子…」

美香子は自分を責めているわけじゃない。
そうは思っても、やっぱり冴はなんだか悪いことをした気分だった。

62 名前:あいか:2008/08/28(木) 21:14:29 ID:TWmMGuEW0
「あ、で…でもさ?美香子とみゆのクラスには…卜部くんが居るじゃん?」
「あ…そっか…」

圭とは一緒のクラスになれなくてもいいとは思っていた。
冴の通っている学校は7クラス編成だし、
きちんと心の整理はついているはずだった。
でも―…
まさかみゆと美香子が圭と一緒のクラスになるなんて思ってもみなかった。
親友とも呼べるような友達と、最愛の恋人。
どちらかが同じクラスになれればいいと思っていたのに…。

「あ、みゆいいこと思いついたかもぉ♪」
「「え?」」
「みゆたちのクラスには冴の彼氏が居て、冴のクラスには美香子の彼氏が居るんでしょ?
それなら、お互い情報交換すればいいじゃぁん!」
「情報、交換…?」
「そうそう!今日はこんなことしてたよ〜とか」
「うーん…」

冴にとっては、メリットの多いことだった。
でも…美香子にとっていいのかはわからない。
冴は美香子に委ねようと思った。

「私はどっちで……」
「いいんじゃない!?」
「へ…?」

63 名前:あいか:2008/09/07(日) 19:58:08 ID:4td3bYt00
「美香子本気?」
「え?うん、本気だよ?」

――美香子がokするなんて思わなかったなぁ…。

「てことでぇ、冴と美香子は情報交換ね〜?」

みゆが話をまとめる。

「はーい」
「わかりましたー」
「って言っても、何教えたらいいのかわかんない…」
「あ…うーん…たとえば、今日何してたとか!」
「高橋くんは…特に何もしてなかったよ?」
「えー…そういえば、卜部くんも別に変わったことは…」
「………。」

意外に情報交換というのは難しいらしい。

64 名前:あいか:2008/09/11(木) 18:29:22 ID:Ts1qlqpE0
「ま、何か変わったことがあったら報告ということで!」

結局あれから考えた結果、
特に何も思いつかなかったので、
こういうまとめかたになった。

部活も終わり、みゆと帰っていると、突然みゆがぼやいた。

「…みゆも彼氏ほしいぃ…」
「……え?」
「みゆもかーれーしー!!!」
「え、ちょ、落ち着いてみゆ!」
「何で美香子と冴にはいるのに、みゆには居ないの〜!?」
「や、それは偶然というか」
「みゆも恋話したいのぉ!!」
「…みゆ、どうしたの?」
「―――っ…」

みゆがわけのわからないことを言うときは、
決まってみゆがもやもやしているときだ。
小学校から一緒の冴にはわかる。

「なんか、みゆ寂しい」
「…どういうこと?」
「冴も美香子も彼氏居て、だから困ってるでしょ?
でも、二人とも共感できたり、アドバイスだってできるじゃん!
みゆは彼氏できたことないし、何もアドバイスだってできない…。
みゆ、みゆ…仲間はずれにされたみたい…」

65 名前:あいか:2008/09/18(木) 21:55:55 ID:o+BU8k4O0
――みゆ…。

「そんなことないよ?」
「…だって、冴この頃美香子とばっかりしゃべってる…」
「部活でたまたまでしょ?」
「みゆは恋話入れないから…」
「私と美香子が恋話してるのなんてあんまりないよ?」
「……うー……」
「みゆ…?」
「みゆ、冴ともっとしゃべりたい…」
「………」
「小学校からずっと一緒に居てくれる人なんて冴くらいだよ?」
「うん…」
「美香子も確かに大事だけど…だけど冴はなんか違うの」
「うん…」
「冴は……普通の友達じゃなくて、もっと…なんか違うの」
「うん…」

みゆが精一杯伝えようとしていること。
それは冴も感じていたこと。

「冴は、1人しかいないんだから…みゆには冴の代わりなんて居なくて、
冴はみゆにとって……本当に友達なの!」

言葉にしづらいけど、お互いずっと思ってた。
最初からこんなに仲いいわけじゃないけど、
それでも今、こうして一緒に居られる。
お互いがお互いのことを思って、自分だけがそう思ってるんじゃないかって
……怖くなった。

「……わかってるよ?みゆの言いたいこと」
「冴…」
「私も、少し仲間はずれの気分だったもん」
「え?何でぇ…?」
「美香子とみゆは一緒のクラスで、しかも卜部くんまで一緒でしょ?
だから、なんかね…みゆが遠くに感じたっていうか…
私だけ離れてしまったっていうか…とにかくね、不安だったの」

やっと言えた本音。
恥ずかしいなんて感情…こんなときには要らない。
今はただ、目の前のみゆを真っ直ぐ見つめて、
自分の本当の気持ちを言う。

「みゆのこと…ちゃんと『友達』だし、私もみゆの代わりなんて…
どこにも居ないんだからね」
「さえぇぇ…」

小学校からずっと一緒だった。
でも、今さらだけど…お互いの気持ちを言い合って、
より仲良くなれたこの時間だった。

66 名前:みかん☆ ◆uJpXRTRICo :2008/09/19(金) 20:05:42 ID:???0
おもしろ〜い!!!!!!

67 名前:あいか:2008/09/23(火) 21:08:50 ID:YmlNIV5q0
次の日。
冴は美香子のために一生懸命「高橋大樹」を観察する。
でも、いつもと変わらないというか…
どう変化するのかさえもわからない。

「あれ?冴誰のこと見てんの?」
「あ、真奈だ」
「真奈です」
「ううん。別に誰も?」
「大くんのこと?」
「ぶっ……わかってたんだ」
「え?何何〜?好きなの〜?」
「ちょ、冗談やめてよ…」

そんなこと噂にされたらたまったものじゃない。
美香子が泣きじゃくるに決まってる…。

「あは、冗談だよ〜?で、何で見てたの?」
「別に意識して見てたわけじゃないよ。っていうか…何その「大くん」って!」
「え?何が?」
「真奈、高橋くんと仲いいの?」
「ううん、あたしは1回もしゃべったことないよ?でも、みんな「大くん」って呼んでるみたいだから」
「あ、そういうこと…」
「うん」

――美香子が「大くん」って言ってたから…てっきり美香子しか言わないかと思ってたなぁ…。

「あの人どんな人かわかる?」
「え〜…大くん?友達に聞いたけど、別に普通だよ?」
「普通って…」
「女友達も男友達も居るし、結構みんなと喋ってるみたい。
でも、そこまで人気ってわけじゃないと思うけどな〜」
「へえ…」

彼としゃべったことがない真奈でも知っているということは、
大抵の人はそういう情報が頭の中に入っているのだろう。
冴は、そのとき妙な違和感を感じて、真奈に聞いてみた。

「………あれ?今女友達多いとか言った?」
「超言った」
「……あの人…彼女いるよね…」
「ああ、いるっぽいけど、2人で居るとこあんまり見ないし…
なんか大くんも気にしてない感じじゃないの?」
「………そう、なんだ」

68 名前:あいか:2008/09/26(金) 20:10:16 ID:pVd/t1/v0
昼休み。
冴は、真奈が言ったことを何度も思い返していた。

『彼女いるっぽいけど、2人で居るとこあんまり見ないし…
なんか大くんも気にしてない感じじゃないの?』

――それって……高橋くんは…美香子のこと…。

そう思って、冴は首を振る。
そんなはず、ない。
だって…2人は付き合っているはずだから。
両想いで付き合っているはずだから。
そう考えても、今までの美香子の弱音を思い出すと、
確信が持てない。

「大丈夫なのかなあ…」

つい本音が口に出てしまった。
そりゃあ、美香子は友達だし、
自分の話を聞いてくれるし…
自分だって美香子のことを助けたい。
でも、助ける方法がわからない…
今だって、わけのわからないことを疑っている。

「冴〜!!」
「へ?真奈、どうかしたの?」
「次の時間、修学旅行の班決めでしょ!?もうドキドキで〜!!」
「あ、そっか…」

――忘れてた…!!

冴の学校は、初夏の間に修学旅行を終えてしまう。
だから、2年生にあがってすぐに班決めや場所選びを
しなければならなかった。

69 名前:あいか:2008/10/05(日) 12:32:30 ID:H0F45I+G0
「一緒の班になろうね、冴♪」
「もちろんだよ〜真奈がいなかったら私一人だし」
「えへへ♪あ、そういえば、男子とどうなるだろうね?」
「へ?男子?」
「冴話聞いてなかったの?女子4人男子4人で1班なんだよ」
「…あ、そうなんだ?」
「全く…冴ったらバカだなぁ」
「馬鹿言わないでー」

―もう修学旅行の時期かぁ…。

冴は、実際真奈が居てくれれば、
誰と一緒の班になろうとかまわなかった。

そして昼休みが終わり、次の時間は班決めの時間。
先生の声が教室に響く。

『そしたら、男女それぞれ4人ずつ班になってー』

「冴っ♪」
「真奈〜」
「あと2人どうする?」
「私は誰でもいいよ。真奈の友達とかは?」
「えー…真奈の友達っていうと…」

真奈がキョロキョロしていると、
女子が話しかけてきた。

「真奈、冴ちゃん〜」
「あ、アユちゃん…と崎田さん」

アユちゃん、崎田さん。
どちらも、冴は話したことがない人たちで、
真奈が一緒に話しているところは見たことがある。

70 名前:あいか:2008/10/06(月) 00:20:13 ID:nT8o74a10
「二人とも、うちらと一緒の班ならない?」
「え?いいの〜?」
「もちろん!というか、うちらも2人で困ってたし」
「冴〜やったね♪」
「うん!」

とりあえず、真奈の友達ということで、
悪い人じゃなさそうだった。
大体の班が分かれたところで、先生がまた口を開く。

『じゃあ男女組むけど…あなたたちにさせても決まらないんで、私があみだくじで決めるよー。それぞれ代表者出てきてー』

「…誰が行く?」
「うーん…冴ちゃんとか運よさそうじゃない?」
「え、私こういうのダメなの」
「じゃあ…やっぱ真奈?」
「はい真奈決定ー♪」
「え、あたしなの〜!?もう〜」

しぶしぶ真奈は先生のところへ行った。
そして、あみだくじの結果が出たところで、真奈が帰って来た。

『じゃあ男女一緒の班になってー』

ガタガタッ

クラスのみんなが机を動かし始める。

「ねぇ真奈…私たちの班の男子は?」
「うん、気になるんだけど?」
「教えてよ真奈〜」
「えっとね、その、…あの人たち」

目を向けたその先には、ある男子グループが。

―なんで真奈、最初からあの人たちって言わなかったんだろう…?
 って、あれ………?あの人………!

その男子グループの4人の中に、彼は居た。
高橋大樹。

62KB
新着レスの表示

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50 ファイル管理

名前: E-mail(省略可)
画像:

削除パス:
img0ch(CGI)/2.1